◆決戦 -KESSEN- パート
〜ラピュタ王家の真実と、滅びの言葉
いよいよムスカを追って、ラピュタ内へと突入を開始するPC一行(うち一人はセガールだが、まだこの段階では任意で正体を現していない)。
軍に掴まっているドーラ一家とかはもはや完全放置であるが、ドーラ一家のことだから多分自力で脱出したか、セガールがいつの間にか救出したりしていたのであろう(ヲイ)。
なお、セガールがどのPCかはすでに確定しているのだが、その正体を現すまでは、その能力値などは従来のPCのままという扱いになる。
部車見 「『シータぁぁ〜! どこに行っちゃったんだよぉぉぉ(汗)』」
ジャック 「『これはアレだ、あの青二才に連れて行かれちまったんだよ!』」
GM 「なんで知ってるんだジャック(笑)」
ジャック 「『お前が助け出せば、ポイントアップだぜ! チューとかし放題かもな!』」
部車見 「マジデーーー!? ヒャッホーイ!!(←とてもいい笑顔)」
ジャック 「『ただし、今オレとお前は同じスタートラインに立っている! つまりオレにもチャンスはあるってことだ!(ダッシュ)』」
将軍 「『おや、そこにいるのはポルコ君。ちょっと協力してくれんかね? いずれにせよ特務の青二才がウロウロしとって、目障りでの〜』」
ポルコ 「『……いいだろう』」
将軍 「『ポケットマネーだ、受け取れぃ〜』(札束を放る)」
それぞれロールプレイでうまく一致団結し、一丸となって進むPC一行。
だが、突入しようとしたラピュタ正面入り口以降の通路には、黒眼鏡のムスカの部下が数多く待ち構えていた。
彼らを迅速に突破しなくては、調子こいたムスカが『私もまたラピュタ王の血筋の人間なのだよ!』とラピュタを起動し、原作の将軍と同じく、PCたちは瓦礫とともに下へとまっさかさま……などという展開になってしまう!
GM 「というワケで、ここからはちょっと特殊な戦闘ルールになります。全員、このジョーカーを抜いたトランプ一組から(さっさっさーとシャッフルして渡す)一枚、カードを引いて公開していただけますかな?」
全員 「ほ〜い(1枚ずつ引く)」
GM 「引きましたね? そのカードに責任を持てますね? では、それぞれのPCの前に、その引いたカードの数値+5の固定値の敵が出てきます!」
将軍 「お、すると2だから……7か」
ポルコ 「10だな……すると15か」
部車見 「え? じゃあ10だから……俺も15。じゅ、15!?(汗)」
ジャック 「(エースをにっこり笑って出しつつ)1! だから6!(笑)」
部車見 「15が二か所か……敵の強さが全然違うぜぇぇぇ!(汗)」
このカードは、対応している敵を倒すことで破棄することができ、破棄したプレイヤーはまたその場でカードを引き、その数値+5の敵とまた戦う。
この繰り返しで、一定ターンの間にカードを計10枚消化しないと、PCたちはゴミのような的な感じで下界へ落とされてしまうのである!
ちなみに読者の方々にだけこっそり教えると(プレイヤーには規定ターン数は秘密)、そのターンは7ターン目。全力のセガールがパーティー内におり、1ターンに一枚ずつ確実にカードを消化することを想定しているので、結構厳しい数字である。
7ターンというのは長いのでは、と、一見易しく見える数字かも知れないが……?
GM 「さて、では行動順を……って、15より早い人はいないのか(笑)。じゃあポルコと部車見に攻撃!」
ポルコ 「(コロコロ)無理だー」
部車見 「(コロコロ)当たっちまった〜!」
GM 「(コロコロ)……おや、まとめて振ってみたらいきなりでかいダメージが。どちらも6点!」
二人 「ポイント5点で復活!(汗)」
部車見 「いきなり削られたねぇ……」
将軍 「『お前たち、ワシは将軍じゃぞ。どかんか』」
GM 「問答無用でパンパン発砲してきますが(笑)」
将軍 「『ひょぇぇ〜い!?』と回避して、物陰に隠れてコルト・ガバメントを出します(1d6)」
しかし将軍の2d6ダメージのコルト・ガバメントをもってしても、体力固定値7の相手に対して3点のダメージしか与えられない。そう、このゲームは意外と敵がしぶとく出来ているのである。
その分普段はサンドバッグにしてセガールポイントを演出で稼ぎまくれるワケだが、今回は時間制限があるため悠長なことは言っていられない。
ジャック 「(コロコロコロ)命中して5点! 『いっちまえよー!!』」
GM 「でも1点残るのね……」
ポルコ 「ボクシングスタイルで(コロコロ)お、15だから当たった」
GM 「ぬぅ!? 戦闘になると出目いいな……ポルコのパンチは強そうだから、ダメージは2d6でいいよ」
ポルコ 「(コロコロ)ダメージ6点!」
部車見 「(コロコロ)こっちは当たんねー!」
GM 「こちらの反撃は二人残ってるけど……うん、どちらも1ゾロ以外回避だね(笑)」
将軍 「(コロコロ)回避!」
ジャック 「(コロコロ)1ゾロ!」
一同 「ぅえええええええい!?」
ジャック・ブラック。
おいしいところを決して逃さない、稀代のコメディースターでである。
ジャック 「じゃあ相手の黒眼鏡もなんか同じジャック・ブラックの一人二役状態で、今度は反撃受けてごろーんと転がされて『あ、そこは、やめてぇーん!?』と(笑)」
GM 「(コロコロ)ダメージ4点ね」
ジャック 「オウフッ!? 半減!?」(←体力7から3へ)
GM 「なんかもージャック・ブラックっぽすぎたから、2d6あげよう(笑)」
そして2ターン目。15の敵が一番最初に行動するのは当然であったが、ここで将軍は目の前の敵の先手を取りつつも、あえて挑発しつつ行動を破棄し、オプションルール「骨折り」を狙う。
敵を挑発し、その挑発された敵が攻撃してきたところを回避に成功すれば、ザコ敵ならば一撃で倒すことができるというこのオプションルール。ダメージをダイスで振っている時点でこの黒眼鏡たちは中ボス扱いなため骨折りは効かないはずなのだが、なかなか熱い展開になりそうなので、GMは採用を許可することにした。
また、まだセガールが正体を現していないので、ここでも厨房ボーナスが発生しうる。
ジャック 「そうか、まだここ厨房じゃないよね? まだだれもここ、厨房にしてないよね?」
GM 「『ここを厨房にする』って、TRPGで出てくる単語じゃねぇな(笑)。(コロコロ)15の二人の攻撃は2点!」
部車見 「それならさっき倒れて全快したから、全然大丈夫だな……」
ジャック 「じゃあここは僕が厨房を召喚しましょう! 二人のジャックが、ぜぇひぃ言いつつ『あー、ノドかわいたな』と(笑)」
GM/黒ジャック 「『ああ、まったくだぜ!』(笑)」
ジャック 「『ちょっと休憩しようぜ!』とその辺の壁をガチャッと開けると、冷蔵庫になってて……ほいっ(ビールを一本放る)」
GM/黒ジャック 「『おう、すまねぇな!(ぐびぐび)』」
ジャック 「って、ここよく見りゃ厨房じゃん! 10点消費!」
GM 「なるほど、ここは遺跡の厨房部分だったんだな(笑)。では地形召喚、ここは厨房フィールドになりました!」
ポルコ 「では、能力値2倍になったところで(コロコロ)命中、8点!」
GM 「ぬぅ、残り1点でこらえた!」
部車見 「では、ヤケになりつつその辺のガスレンジでキレて『うぇああああああい!!』と殴りかかる!」
GM 「ほほう、ならダメージは2d6でどうぞ」
部車見 「(コロコロ)命中!(コロコロ)あれ? ピンゾロった!(笑)ダメージは2点でお願いします……」
ジャック 「じゃあこっちは、『スター・ウォーズ』談義でもしつつ……『ボバ・フェットが(以下2分ほど続くので省略)』と言い終わったころに飲み終わったビール瓶でパーン!!(笑)」
GM 「きたねぇぇぇぇ!! ジャックっぽいから1d6やろう(笑)」
ジャック 「(コロコロ)命中!」
GM 「残り1だから何食らってももう倒れるな。むぎゅぅぅぅ、どてーんと黒ジャックは倒れました(笑)。で、目の前の敵が倒れたら新たなカード引いてください」
ジャック 「ほほう? ではでは(ぺろり)」
K。
ジャック 「……ひぃぇぇええええええええ!?(汗)」
GM 「18きた! 最高値キタコレ(笑)。じゃあ今度は向こうから、まともな黒眼鏡が駆け寄ってくるよ〜」
将軍 「では、ここで目の前の7の敵に殴らせて回避からの小手返しを狙います!(1d6)」
GM 「ほほう! すると1ゾロ以外では回避成功ですな」
将軍 「(コロコロ)3だ危ねぇぇぇ!!(汗)成功!」
GM 「するとその黒眼鏡は、手首折れた上に宙を錐揉みして壁とかに叩きつけられてお亡くなりになります(笑)」
将軍 「(ぺろり)カードは4!」
カードを2枚消化しつつ、3ターン目。そのころのムスカはだいぶ調子に乗ってきて、遺跡を調べながら『実は私も分家とはいえ王家の人間なのだよ!』とシータに対して口を滑らしたりし始める。
行動順でもPCたちは厨房ボーナスの効果で、13の将軍以外は20以上の行動値で行動するというターボっぷりを発揮する。
ポルコ 「(コロコロ)17、ヒット! 残り1点だから自動で倒せますね。(ぺろり)4、だから9か」
ジャック 「じゃあ次はこちらで。強そうなのが来てやべぇぇと厨房を漁ってみたら、でっかい牛の大腿骨とかがあるんですよ。『へ、へ、へ、来いよ。ジェダイマスターの力を見せてやるぜぇ!』と骨折りを宣言して待機!(2d6)体力18はさすがに攻撃じゃ削れない!」
部車見 「じゃあこちらも……えーと、実は砲撃されてもまだ地上で暴れていたロボットの流れ弾が飛んできて、敵に当たります! 10点消費!(1d6)」
GM 「何ぃぃぃぃぃぃ!?(汗)」
部車見 「当たればいいんですが……(コロコロ)命中!」
GM 「10点使うなら命中判定もいらなかったんですが(笑)。では一瞬『そのころの砦』とカットが入って、ビームが飛んできますね。ダメージは5d6で!」
部車見 「(コロコロ)16点! 残り13点だから倒せましたね(ぺろり)……って、キタコレ!?」
将軍 「Q(クィーン)ですか。12だから、能力値17ですね(汗)」
GM 「君たち、引きいいねぇ(笑)。ちなみに出てきたターン中は、黒眼鏡は行動しません。召喚酔いですな」(←『マジック:ザ・ギャザリング』のルール)
将軍 「こちらはガバメントで(コロコロ)命中したけど、7点! 2点残ったか」
GM 「では次、18のヤツがジャックに殴り掛かって来ますね」
ジャック 「『俺は敵じゃない。敵じゃない……って、敵じゃないって言ってんだろー!?』(1d6)」(←『スター・ウォーズ』のジェダイのように、フォースで敵じゃないと信じ込ませようとしたようだ)
部車見 「弱いなぁ(笑)」
ジャック 「とりあえず18だから、出目で8出せば折れる!(コロコロ)よっしゃ!!」
部車見 「おお! すると骨折りで、いきなり体力ゼロになるんでしたっけ」
ジャック 「偶然振り回した骨が首とかに当たったんですよ(笑)。で、『や、やったぜマジでジェダイマスターだ! ぶぅーんぶぅーんぶぅーん』(←ライトセイバーごっこ)(1d6)」
GM 「(ぶっちん)『ラピュタ』だッつってんだろおめぇエエエエよォォオオオオオ!!」
この日最大の悲鳴じみたGMの怒号は、セッション開始後1時間45分の空間にはよく響き渡ったという……(遠い目)
というか、『ラピュタ』以前にセガールだったはずなのだが。
ジャック 「(ぺろり)はい次の敵は5だから能力値10! 次行こう次!」
GM 「ああもう、ひどい話もあったもんだ(涙)。では次のターンですな」
5枚と、ノルマの半分を消化しつつ4ターン目に突入。
敵で一番速いのは17の敵だが、また出目が走り、ポルコ、将軍、部車見が18で行動した。
将軍 「『わしを倒したくばもう8つほど階級を上げることじゃのぅー!!』(コロコロ)命中!(1d6)」
部車見 「遠いなぁ八階級(笑)」
将軍 「(コロコロ)ダメージ8点、倒しましたね。『わしを倒すには階級が足らなかったようじゃのぅ』(ぺろり)おや、3」
GM 「そこは弱いのしか引きませんなぁ〜」
部車見 「じゃあ今度はこっちで。この目の前のやつ強いからなぁ(能力固定値17)……まだゴリアテってありましたっけ?」
GM 「まだラピュタに接岸して、係留されていると思うけど」
部車見 「じゃあ10点消費して、砲撃してもらおう! 『将軍、ヘルゥゥゥゥゥプ!!』(コロコロ)命中!」
GM 「ぬぅ、さすが武力7の2倍で14! 命中判定はなくてもいいんですけどね(笑)。ダメージは5d6で!」
部車見 「17か……一撃は厳しいな(コロコロ)って抜けたァァ! 24点!!」
GM 「何ぃぃぃ!? じゃあ砲弾で、容赦なくすっ飛んでいきました!」
部車見 「『シータを助けるんだぁぁぁぁ!!』と鼻水垂らしながら叫んでいましょう(笑)」
GM 「それはあんまりラピュタでもセガールでもない(笑)。で、新たなカードは?」
部車見 「(ぺろり)」
K。
部車見 「でぇええええええ!?(汗)」
GM 「なんかそこ、強いのばっかり来ますなぁ……」
ジャック 「ではこっち! さっきの18の敵を骨でウキーウキーポカポカと殴りつつ、『猿の惑星』っぽいBGMも流しながら、目の前の10の敵に対して骨折りを宣言します!」
GM 「……………………(はっと気づく)まさか、それ、挑発!? ……挑発!?(汗)」
ポルコ 「では次はこちら。一発で落とせないと時間が惜しいな……うまく相手の立ち位置を誘導して、相手にパンチが命中したらぐっつぐつ煮えたぎる鍋に落ちるように狙ってみます」
GM 「おお、セガールっぽくてえげつねぇな(笑)。1d6ポイントあげた上で、3d6ダメージを認めよう」
ポルコ 「(コロコロコロ)うし、命中! ダメージ10点で一撃!(ぺろり)次の敵は、2だから7か」
GM 「では次は、黒眼鏡がジャック殴りかかってきますが……?」
ジャック 「そこで骨がぽーんと手からすっぽ抜けると、その骨がくるくると飛んでって宇宙ステーションまで飛んでって、そこから落ちてきてスコーンと当たるワケですよ!(笑)(コロコロ)てなワケで成功! 首がそれでポッキリ〜」
GM 「…………(震える小さな声で)頼むからラピュタにしてください……(泣)」
ジャック 「いやいやそういうシーンがあるんですよ! 『ラピュタ』はすべての映画の集大成なんですよ!!」
GM 「あるって言われちゃ、まぁ1d6あげるしかねぇな……」
ジャック 「(ぺろり)んが!? 引いたのはJだから次の敵は16!」
順調に9枚のカードを消化し、5ターン目。
あと一人倒せばOKということで、こkは一番行動が早かったポルコがまた鍋殺法を炸裂させ、13点ダメージで一撃のもとに葬り去り、ノルマを見事達成した。
ポルコ 「『カーチスの方がずっと手強かったぞッ!!』(1d6)」(←『紅の豚』でのライバルキャラ)
GM 「……ぬぅぅぅぅぅ、意外と早く突破できるものだな……7ターンじゃなくて6ターンでもよかったか」
ジャック 「制限7ターンだったの!? いや、7でも今みたいにKとか引くと十分きついから(笑)」
GM 「骨折りがサクサク決まったのが勝因か……」
ジャック 「ちなみに、オレに傷を負わせたのは一番弱いはずだった黒ジャック・ブラックだけだぜ!」
見事黒眼鏡を蹴散らした一行は、そのままラピュタの最深部、王の間へと進む。
王の間。ラピュタを支える巨大な飛行石と、ラピュタ全体の制御を司るコントロールパネルである石碑が置かれた、ラピュタ最奥部の部屋。
シータの持つ王の証である飛行石のペンダントもまた、この神聖なる巨大飛行石から削り出されて作られた、そのひとかけらに過ぎない。
まばゆい青い光を放ち続ける飛行石の下。
そこにはラピュタ文字を解読し、王の玉座でラピュタの機能を掌握したムスカが、シータにリボルバー銃を突き付けて待ち構えていた……!
部車見 「じゃあ先頭に立って、『シータァァァァ!!』と叫びながら部屋に突入しますけど」
GM 「さて、ではここでセガールポイントの合計をチェックしてみようか……(計算)……201か」
部車見 「危険な数字だな……。最終目標値が第一話と同じなら、49点足りてないですな」
GM 「では、銃を構えて悠然とした態度でムスカが『おやおや皆さん、これは遅いお着きで。ラピュタ王への謁見に来られたのですかな?』と出迎えますね」
部車見 「『シータを返せぇぇぇ!!』」
GM 「まぁ、がっつりとシータの頭に銃突き付けてますけどね。なんかやらかしたらシータ死にます(キリッ)」
部車見 「ひぃぃぃぃ!?」
ポルコ 「『その子を離せ、小僧。ロリコンはいけねぇぜ?』」
GM 「貴様が言うか(笑)」(←ポルコもだいぶ年下のフィオというヒロインといい仲だった)
ジャック 「ロリコン伯爵〜!」(←それは『カリ城』)
黒眼鏡の集団にすら憶することのなかった一行だが、少女の命を捨てるわけにはいかない……。
隙のないムスカを前に、絶望的に不利な状況となった、その時。
???「……では、そろそろ。そこで銃をゆっくりと構えつつ、(大塚明夫声で)『娘を離してもらおうか』」
低く、有無を言わせぬ声が、王の間に粛々と響き渡った……。
だれもが、それこそが真の王の声であると認めるほどに。。
部車見 「ふぉぉぉぉぉぉぉ!!(笑)」
ポルコ 「来たぁぁぁぁ!!」
GM/ムスカ 「『娘……だ、と……!?』」
ジャック 「『……しょ、将軍!?』」
ガバメントを構え、今までとは打って変わって、大木のごときたたずまいすら感じさせる堂々たる姿勢で立つ将軍。
そのまま片手で顔に手をかけると、そこから顔を覆っていた人工皮膚のマスクを引きはがしていく。
そこに立っているのは、先ほどまでそこにいた卑屈な紳士ではなく……身長193cmの、精悍な顔付きの戦士であった!
将軍改めセガール 「では、そこから顔や衣装をベリベリベリーと剥がすと、中からセガールが出てきます(笑)」
GM/ムスカ 「『なッ……!? なんだ、貴様は!?』」
ジャック 「『セガール? まさかセガール!?』」
ポルコ 「『……聞いたことがある。アメリカと呼ばれる国には、そんな名の無敵の英雄がいると……!』」
部車見 「『お、おおおおおお父さんはウソを言っていなかった! セガールは本当にいたんだぁぁぁぁ!!』」
※※※ 会場の全員が笑い転げて活動不能になりましたので、しばらくお待ちください ※※※
ポルコ 「え……えー!? そこは『ラピュタは本当にあったんだ』じゃないの!?(笑)」
GM 「いや、なんかそんなセリフあったよ! そんな映画だったよ『ラピュタ』!! 3d6あげよう!(笑)」
部車見 「お父さんがセガールは存在するって言うと、みんなにサギ師扱いされてたんですよ!」
ジャック 「あー、間違いない! 『セガールは本当にいたんだ』って言う映画だよね!(笑)」
ちなみに誘拐パート終了時のセガールポイントは、ジャック34点、ポルコ18点。将軍50点、部車見44点であった。将軍のセガール率は、まさにダントツである。
その圧倒的なセガールの威圧感だけでも迫力は相当なものだが、ムスカはそれでもシータを離さない。
そして、そのシータの方は……。
GM/シータ 「『まさか、お父さん……? 昔お仕事の途中で行方不明になったはずの、お父さんなの!?』」
部車見 「行方不明になってたんかい!!(笑)」
セガール 「『すまんな。少し『ハード・トゥ・キル』的な事件に巻き込まれていてな』(笑)」(←この映画の中で、セガールは重傷を負って7年間眠っていた)
GM/シータ 「『7年待ったのね!』」
ジャック 「なるほど、それで7年間記憶なくして将軍になってたんだ!(笑)」
GM 「し、7年間将軍に身をやつして……ッ(腹抱えて笑いつつ悶絶)」
ポルコ 「将軍に身をやつすって何だよ! 将軍の方が偉いじゃねーかよ!!(笑)」
ジャック 「『ま、マジでセガールなのかよ! 今度映画で共演しようぜ!』」
GM 「ああ分かった、そこは1d6やるから黙れ!(笑)」
部車見 「ちなみにムスカの表情は?」
GM 「そりゃもうビックリしてますよ。いきなりセガールですから……ん?」
ここでまた悪いクセで、GMの脳内で嫌なパズルのピースがカチリとはまってしまった。
GM/ムスカ 「『ま、まさか……! この娘はラピュタ王の血筋。そして奴の娘……。ラピュタ王の血筋とは、セガールの血筋だったというのかッ!?』」
ジャック 「うん、そうねぇ。そうなるねぇ(笑)」
セガール 「『ラピュタ王、と言ったか。……貴様にその地位は、ふさわしくない……』」
GM/ムスカ 「『な、なん、だと……ッ!?』」
おそらくシータの長い本当の名前の一説には、なんたらセガールなんたらウルラピュタといった感じで、セガールという言葉が入っていたのだろう。
今ここに、ラピュタの真実が解き明かされた。セガールだからこそ、セガールの力があったからこそ、ラピュタは過去に繁栄を極めたのである……!!
おそらくラピュタを浮かせている飛行石の塊とかも、中にはごんぶと、あるいはアリナミンAが詰まっているに違いない!
だが、そんな歴史的大発見はさておき、厄介なのはシータが捕まっているという事実である。
部車見 「では、戦闘に入ると思うんですけど……シータが捕まったままなんですよね」
セガール 「さて、どう助けるか……」
ポルコ 「そこはやはり、史実に則れば……何らかの強力な光で目をくらませればいいんじゃないですかね?」
セガール 「なるほど(笑)」
GM 「ちなみにあなたはもはやセガールなので、なんでもできる無敵状態だと思ってもらって結構ですが(笑)」
セガール 「ふむ、それなら悩むことはない。閃光手榴弾を投げよう」
ポルコ 「スタングレネード!?(汗)それ、娘の鼓膜破れると思うんですけど!」
GM 「いや、大丈夫だろ。セガールの娘だし」
ポルコ 「あー、なるほど!!(笑)」
部車見 「分かりました、じゃあ私が隙を作ります! 『シータァァァ!! このやろぉぉぉぉ!』となんか武器を持って無防備に駆け寄っていきますけど……」
ジャック 「『バッ、おいちょっと危ねぇよ戻れ戻れ!!』」
GM/ムスカ 「(息の合った演技なのでつい慌てて銃を部車見に向けてしまいつつ)『き、貴様!! 武器を捨てるんだ!!』」
セガール 「……!! この隙に……投げるッ!!」
ムスカの銃口がシータからそれたその瞬間、セガールはまだその場を動かなかった。
いや、常人には動いていないように見えただけであった。だがその時すでに、セガールは最小限の動きだけで、おそるべき初速でそれを投げつけていた。
すでにあらかじめピンを抜き、起爆時間を調整しておいた、スタングレネード。
それはそのシーンの中、スローモーションでムスカの眼前へと一直線に迫り、驚きそちらに向いて見開かれたムスカの目は、完全に無防備であった……!
GM 「ぬぅぅぅぅ!! 判定するまでもなくクリティカル成功! すると完全にうまくいきますね。目の前で閃光手榴弾が爆発し、鼓膜が破れたのはもちろん、まばゆい閃光で目を焼かれ、『目が、目が!』と……」
ジャック 「(ふと思いついてしまったらしく、さえぎって)手榴弾が『バルス!!』って爆発するんでしょ?」
※※※ 全員倒れ伏して笑い転げております。続行とか無理です。反省してます。もうやめてください。堪忍して下さい。てゆーかとりあえず、もう少々お待ちください。 ※※※
ポルコ 「ば、バルス……ッ!! そうそう、そうだった! 最後光る時バルスって言ってた!!(笑)」
GM 「あー思い出した思い出した! 俺観たことある!! 手榴弾が飛んで行って、こう……『バルスッ!!』(笑)」
部車見 「どんな効果音だよッ!!(笑)」
ポルコ 「それで間違いなく、『目が、目がぁぁぁ』ですよ!! いやぁ宮崎監督は天才ですね!!(笑)」
GM 「(ぜひーぜひーと辛うじて呼吸しつつ)、さ、3d6あげよう……これで合計ポイントはいくつだ!?」
ジャック 「えーと……234! まだ足りないか!?」
GM 「ムスカは『目が、目が、ぁぁぁ!!』と言いつつも、めちゃくちゃに操作パネルをいじったりしてますね(笑)」
部車見 「とりあえず突っ込んでいって、『シータァァァァ!!』と助け出します!」
GM 「すると、ひしっと抱き着いてきます」
部車見 「『今ですセガールさん! やっちゃってください!』って、まだポイント足りないんだっけか!?」
ジャック 「じゃあここでずいっと前に出て、『あとはオレに任せな!』と」
部車見 「おおっ!?」
ジャック 「『そこの青二才、かかってこいよ!』と調子こいて近づいていきます(笑)」
GM 「ちょ、コラ! 見えないし!(笑)」
ジャック 「そこで『オラオラ見えないのか見えないのか〜!?』と近づいていくんですけど、そこでムスカが振り回す拳がゴスッと当たって……『(頬から殴り飛ばされつつ)オッ、オッ、オッフゥアアアアア!? いたーい! セガール助けてセガァルゥゥゥゥ!!』」
GM 「脇役っぽいので2d6!!(笑)」
ジャック 「(コロコロ)7点追加!」
部車見 「じゃあその間にシータをコントロールパネルの方に連れて行って、『シータ、何か分からないのかい!? ああ、街がー!!』」
GM 「ああ、じゃあなんかラピュタの雷がドーンドーンと地上を薙ぎ払っておりますなぁ(笑)」
暴れるムスカ、薙ぎ払われる地上、転がって泣きじゃくる41歳。
混沌としたその場の状況を解決するのは、やはりこの男……!
セガール 「じゃあコンソールパネルの方に歩いていきまして、『こんなものは叩けば直るもんだ』と、その辺にあった鉄パイプでパネルを叩きます」
一同 「うぉぉぉぉぉぉぉ!?」
GM 「うわー! ものすっげぇセガールっぽぉぉぉぉい!!(感涙)2d6あげましょう!」
セガール 「(コロコロ)8! 届いたか……?」
ポルコ 「いや、さっきから15点増えて……234だったから……249(笑)」
PL一同 「いちたりなぁぁぁぁぁぁい!?」
ジャック 「出やがった! 妖怪いちたりない(笑)」
部車見 「ちなみに、ビームの方は……?」
GM 「セガールがやったんですよね? セガールがやったんなら止まって当然じゃないですか(キリッ)」
乱射される危険すぎるビームは、セガールの一撃で停止した。
そしてあまりにも危険すぎる遺産であるこのラピュタ自体の機能もまた、そのセガールの一撃で永遠に封印された……。
だが、まだその王の間には、巨悪が残っている。
ラピュタの遺産よりも今この現世においては危険ともいえる、悪しき心を持つ者……。力を悪用し、恐怖の王になろうとした者が!
部車見 「『セガールさん……! 世界を、救ってください……!!』」
ジャック 「『セガール! 勝ったらオレがチューしてあげるから頑張ってくれぇぇ!!』」
GM 「必死だなぁ……でもなんかここまで来ると、もうお前にポイントあげたくなくなってきた(笑)」
ジャック 「そんなー!?(笑)」
ポルコ 「『脱出用の飛行機の準備はできてるぜ!』」
セガール 「『……ならば……!!』」
呼吸を整え、太極拳の動きから精神集中に入り、全身の膨大な気を立ち上らせるセガール。
瞬間の瞑想の中で、彼の体内の気と、祖先より受け継がれし彼が持つ守護神、大自然と一体化するための接点、トーテム(祖霊)の力が合一となる……。
そうして祖先のトーテムと一体化したセガールは、目を開き……!!
セガール 「では、祖先のトーテムと一体化しつつ首を折りに行きます!!」
GM 「結局首折りかよ!?(汗)いいでしょう、攻撃前に1d6差し上げます!」
セガール 「(コロコロ)……あ、1。ちょうど250(笑)」
一同 「ジャストかよ!?(汗)」
GM 「ぐっ……回避は……セガールの攻撃だからできねぇ!! クリティカルで自動命中します! ちなみにムスカの能力固定値は35でした!」
ポルコ 「目が潰れてても35かよ!?」
GM 「最終目標値に届いているかどうか、判定は……!!」
『目が、目がぁぁぁ!!』と暴れまわるムスカ。
セガールは流れるような動きでその背後に回り込み、首を極め、一瞬で回し折る!
GM 「するとムスカは、『目が、目が……あ、首がっ』と言い残し……倒れて、そのまま崩壊するラピュタ下層部の方に落ちていきました!」
ほか一同 「『あぁぁぁぁぁぁぁ……』(ムスカになりきってフェードアウト)」
なぜか閃光手榴弾の爆発一つで、全体が崩壊を始めたラピュタ。
それも仕方がない、セガールが投げた閃光手榴弾なのだから。
崩壊し、急上昇を始めるラピュタから、一同は急ぎ脱出する……!
◆エンディング
〜世界は回る、セガールを隠して(多分)
ポルコが先に宣言しておいたことで、特に脱出に関しては判定などは必要なしということとなり……。
一同はドーラ一家とも合流しつつ、ラピュタを順調に脱出しようとしていた。
部車見 「OK! じゃああとはドーラ一家やほかの皆さんと一緒に、脱・出!」
GM 「するとなぜか、後から飛行機の方に向かったはずのセガールの方が先に着いてるんですね(笑)」
部車見 「しかもセガール専用の飛行機とかあったりすると(笑)。ちなみにシータはだれが抱えていくんで?」
セガール 「娘はもちろんこちらで連れて行くが?」
GM 「あー! セガールが言うんじゃ仕方ない、そうなるんだろうな〜」
セガール 「『娘を助ける役になりたいなら、まずは私に勝てるようになることだな』(笑)」
『シータ、いつか会いに行くよ! ……ブシェミじゃ無理っぺぇけどなぁぁぁぁ(笑)』
仕方がないのでドーラ一家の皆と一緒に飛びながら、部車見はそれでもさわやかに手を振るのだった……。
GM 「さて、ではエンディングのシーンなワケですが……」
ポルコ 「え? ポルコが飛行機で飛んでくんだから、やっぱり『紅の豚』に出てきたあの酒場の島とかに行って、BGMは『時には昔の話を』が流れるんじゃないんですか?(笑)」
セガールメモ 時には昔の話を
加藤登紀子さんが歌う、心に染み入るようなバラード・ナンバー。『紅の豚』の世界観と、空に生きる男たちの情けなくも輝いていた生き様を象徴するような名曲であり、その曲に乗せてスタッフロールとともに流れるイラストもどこか風刺的で(詳細はネタバレになるので伏せ)、総合的に人気が高い名曲である。
だが、まかり間違っても『ラピュタ』のエンディング曲ではない。
ジャック 「ラピュタなのに! ラピュタなのにぃぃぃぃ!!(笑)」
GM 「ええい、最後ぐらいはラピュタっぽくせんかい!! その飛んでるポルコの飛行機の横で、ドーラ一家がひゃっほーいとラピュタから持ち出してきた金銀財宝を見せびらかしつつ……」
セガール 「それとは関係なしに、セガールは娘を連れて『行こうか』と(笑)」
部車見 「なぜか車で!」
ポルコ 「ここ空だから! デロリアンとかねぇから!!(笑)」(←『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出てきた、空も飛べるタイムマシン・カー)
セガール 「『7年ぶりになるかな……母さんのところへ行こうか』(笑)」
GM 「分かりました! ではそこでなぜか『時には昔の話を』もちょっと流れたりしつつーも……!!(BGMを切り替え、無理矢理『君をのせて』を流し出す)」
和気あいあいと、そしてそれぞれの道へと大空の下、歩み出していく彼らを見送るがごとく。
そして自らも、新たな旅立ちを迎えるかのごとく。
大樹と巨大な飛行石を残すのみとなった天空の城ラピュタは、そのまま成層圏の彼方へと上昇していく。
二度と人の手がそれに触れることはなく、それは伝説を宿したまま、常に人々の見上げる空の彼方に、地上の尊い営みを見守るかのようにありつづけることだろう。
これまでのように。
そして、これからも永久(とわ)に。
一同 「(音楽が流れるとともに深く息をつきつつ)お疲れ様でしたぁぁぁぁあああ!!」
セガールは、ジブリ作品においても無敵であることがこれで実証された。
閃光手榴弾一つで、ラピュタ程度ならば特務の青二才もろとも崩壊させることができるのである。
これを無敵と言わずして、なんと言おうか。
だれが何と言おうと、どんな世界にいようと、セガールは強い。セガールは無敵である。
この永遠の法則を得るために、実験に付き合ってくれたプレイヤー諸兄には、この場を借りて心より御礼申し上げたい!
そしてあと、ちょっとだけど殴らせてほしい!(何)
だが、セガールの伝説はまだこれでも序の口でしかない。
セガールの無敵伝説を新たに形作り、後世に伝えるのは……これを読んでくださっている、あなたなのかも知れない……。
FIN
セガールメモ 手榴弾がバルス
2時間のセッション終了後も、30分ぐらい「閃光手榴弾がバルス」のネタだけで盛り上がり続けました……。
きっとこの手榴弾ネタで、ジブリファンのみんなも許してくれると信じてぅ!(・∀・)