◆導入 〜キャラクターメイクはナパームの匂いでゲソ
4月某日、某所。
何のことやらと突如ゲームマスターに呼び集められた、4人のプレイヤーたち。そして有無を言わさずキャラクターシートを渡された彼らは、『セガールTRPG』のテストプレイヤーとして協力を余儀なくされることとなる……。
……というか、ほんといきなりですんません反省してます石投げないでください(平謝り)。
ゲームマスター(以下GM) 「ではまず、キャラクター作成の参考用に今回のシナリオの導入を説明しますね。今回最初のシナリオのタイトルは……
『沈黙の空母』!」
プレイヤー4(以降PL4) 「……ああ、なんかもう沈黙シリーズですなぁ(笑)」
沈黙の空母 プロローグ
201X年、情勢の安定しない中東の某国間で大規模な紛争が勃発した。
非人道的兵器や核兵器をも所有する両国の紛争に介入すべく、国連は各国に協力を要請。アメリカ合衆国が派遣した艦隊の中には、同国の最終兵器ともいえる超電子戦特化型原子力空母「パラク・オパマ」(バラク・オバマにあらず、なので怒らないでください)の勇姿もあった。
それは巨大な空母でありながら、各種コンピューターはもちろんその飛来するトマホークミサイルでさえ瞬時に欺瞞する遠隔電子戦能力や、電子的なステルスに加えて大規模光学迷彩すらも可能なステルスシステムにより、現代戦では無敵を誇る次世代型空母であった。
現代戦の在り様を一隻で覆しかねない同空母には、米軍選り抜きの精鋭部隊に加え、アメリカ合衆国の威信を示す広告塔の一環として、公募された義勇兵や、現地での難民救助ボランティアを志す民間人すら搭乗していた。
それは海上での攻撃やシージャックなどに対する、絶対の自信とセキュリティーの万全さを世に知らしめる、アメリカ合衆国の一大デモンストレーションでもあった……。
PL4 「とりあえず、我々はその空母に乗っているワケですね?」
GM 「いえ、最初は乗っていなくても構いません。空母に乗らず、別の場所で活動するキャラにも活躍の場はありますよ」
プレイヤー2(以下PL2) 「じゃあ早速キャラメイクを……って、能力値を2点割り振ればいいんでしたっけ?」
GM 「はい。プレイヤーキャラクター(以下PC)の全能力値は5ですが、好きなところに2点のボーナスを割り振って構いませんよ〜」
本作でのPCの能力値は以下の5つで表わされ、判定には該当の能力値+2d6で算出する達成値を用いる。
武力 :戦闘の強さ
敏捷 :動きの機敏さ
知力 :知識や技術の高さ
魅力 :外見の良さや人間性
体力 :生命力の強さ
同じ能力値にボーナスを2点すべて割り振ることもできるので、PCの能力値の最高値は7となる。
ちなみに問答無用でオススメなのは武力を7にすることだが、本作でのダメージ判定には多くは1d6、ボス戦などでは2d6を使うことが多いので、体力を7にするのも戦闘を楽しめるかも知れない。1d6なら絶対に一撃では倒されず、また2d6でも敵が期待値未満を出せばいいのでかなりハラハラできる。
GM 「まぁ、たいていは戦闘以外でもセガール的には武力で解決して判定することが多いかも知れませんので……」
PL4 「知力を上げて、知的な軍人とかもいいかもですね。役に立つかは分かりませんが(笑)」
プレイヤー1(以下PL1) 「あと、娘がいるんだっけ?」
GM 「あー、どうしてもさらわれたいんだったら、娘がいる設定にしてもいいですよ。まぁそんなNPCがいなくとも、どこからか湧いて出ますけどね」
プレイヤー3(以下PL3) 「後付けなのか……(汗)」
本作ではシナリオ上、ほぼ必ずセガールの娘が誘拐され、怒髪天となったセガールが無敵となって敵ボスの所へ突っ込んでいく。ただしセガール映画の中には娘が誘拐される代わりに、親友が殺されたりなど別の展開が待っていることもあるので、GMはフェイントで娘誘拐以外のイベントを仕込んでみるのもいいだろう。
PL1 「じゃああえてここは、体力を7にしてみようかな……?」
PL3 「それじゃあ僕は、あえて知力を7にしてみます(笑)」
GM 「あと、年齢や外見などに制限はありません。ただし、セガールになった場合は問答無用で身長190cm台の男性になってもらいます」
PL2 「そのギャップを楽しんだ方が面白そうですね」
GM 「まぁ、テロリストとかも当然出てくるのでそっちのキャラ作ってもいいですよ。あ、でもジョークとはいえTRPGなので、物語を作るというその一線だけは忘れないでくださいね?(汗)」
念のため釘を刺しておくGM。基本、チキンである。
PL2 「とりあえず、キャラクターが完成しました」
GM 「ほほう……(キャラシーを確認)……おい。」
PL2 「何か?」
GM 「イカ娘、職業:侵略者って何だ!?(汗)」
PL2/以降イカ娘 「そりゃあイカ娘は職業:侵略者じゃないですか! ちなみに私、原作もアニメも見てないんで元ネタが再現できるか分かりませんけど!(キリッ)」
GM 「……だろうな。海の底からじゃなくて、異星からの侵略者とか書いてあるし。クトゥルフじゃねーか(汗)」
イカ娘
能力値: 体力7 他すべて5
年齢・性別: 14歳 女
職業: 侵略者
背景・特徴: 異星じゃなくて海から人類を侵略しに来たでゲソ
セガールメモ イカ娘
海の平和を守るため、海の底から人類を侵略するためにやってきた、イカっぽいけど人間っぽい少女。青い長髪が10本の触手として動かせるほか、語尾に「〜でゲソ」「〜じゃなイカ」と付けるのが特徴。某イ●デックスさんそっくりとの評判も高い。
詳しくは、連載中の『侵略!イカ娘』(週刊少年チャンピオン/秋田書店)やアニメ版のDVDなどを参照するかググれ。
PL4 「こっちもできましたよ〜」
GM 「……ん? 名前がイッチロー=フクディマァ? 職業、予備役? モヒカンで、ウーロン帽子……って何ですかい?」
PL4/以降イッチロー 「『ドラゴンボール』のウーロンみたいな、人民服の帽子ですよ。ちなみに本人はアメリカ人ですけど、日本に精通していると思い込んでいます」
イッチロー=フクディマァ
能力値: 武力7 他すべて5
年齢・性別: 30歳 男
職業: 予備役(今回の騒動で招集された)
背景・特徴: モヒカン、人民帽、陣羽織(上)、白パンタロン、カメラ装備。本人は日本に精通していると思ている、アルヨ。
PL1 「こっちもできたー!」
GM 「いやだからお前ら作るの早いなオイ!」
イカ娘 「こんなん、真面目に考えたら負けじゃないですか」
GM 「………………って、何ィィィ!? 某・亀型巨大怪獣だとォォォ!? 職業:怪獣!?」
他一同 「えー!?(汗)」
某亀型巨大怪獣(平成版)"G"
能力値: 体力7 他すべて5
年齢・性別: 一万年と二千年 怪獣
職業: 怪獣
背景・特徴: この大自然の象徴。地球を人類から守る。自然を大事に。
GM 「おい、これ今回のシナリオにどうやって登場する気だ? てゆーか人間じゃないのがもう二人おる!(汗)」
PL1/以降某亀 「え? でもセガールの娘とは、ツーといえばカーの仲ですよ?(笑)」
GM 「……ああ!? たしかに平成版ならそうだ畜生! 否定できねぇ!!」
セガールメモ 某亀型巨大怪獣
要するに特撮怪獣映画に登場する看板怪獣・ガ●ラのこと。平成版シリーズでは、●メラと心を通わせる少女役として藤谷文子が出演しているが、この人はリアルにスティーヴン・セガールの娘である。
平成版ガメ●映画では、藤谷文子がピンチになるたびにどこからともなく無敵のオヤジが出現するのではと、特撮ファンをハラハラさせてくれた。
PL3 「こちらもご確認を」
GM 「……お、こっちはまともに人間だ! グリーン=キルゴア。…………え? キルゴア中佐?(汗)」
PL3/以降キルゴア 「サーフィンとナパームの香りが大好きです(笑)」
某亀&イッチロー 「♪てーてててーんてーん、てーてててーんてーん♪」(←ワーグナーの『ワルキューレの騎行』を口ずさむ)
グリーン=キルゴア
能力値: 知力7 他すべて5
年齢・性別: 37歳 男
職業: 米陸軍軍人、中佐
背景・特徴: サーフィン大好き、ナパームの匂いも大好き
セガールメモ ●ル・キルゴア中佐
コッポラ監督の『地獄の黙示録』に、チョイ役で登場する中佐(役者はロバート・デュヴァル)。しかしそのすべての話題をサーフィンとベトコンに帰結させるエキセントリックな発言や奇行、『ワルキューレの騎行』をBGMにヘリでナパーム弾をベトコンの拠点にブリ撒いて「朝に嗅ぐナパームの匂いは最高だ!(中略)勝利の匂いだ!!」と焼き尽くす問題ありまくりの姿などが、映画史上でも類を見ないインパクトを生み出した。
『地獄の黙示録』のファンだという人は、大半がこのビ●・キルゴア中佐のファンであることが多い。
GM 「(ふと見渡してみつつ)あれ? まともなPCがマジでいねぇ!?(汗)」
イッチロー 「失礼な! 私と中佐がちゃんとした軍人ですよ!」
イカ娘 「うん、人間側はまともじゃないかな。さすがにガ●ラはどうかと思うけど(笑)」
某亀 「ノゥ!! 某亀型巨大怪獣です! もし見た子供が『あ、ガメr』とか言いかけたらセガール拳でぶっ飛ばしますのでご安心を!」
GM 「いらんわそんな気遣い!! よく分かった、お前ら真面目にやる気はないな……だがそれがいい。」
イッチロー 「真面目にやる気マンマンですよ! ……アルヨ!」
GM 「というか、それぞれスタートはどうするか考えているんだろうな?」
キルゴア 「我々軍人二人は、最初から空母に乗っていますね」
某亀 「あ、僕は紛争が起こる前に巻き戻ってシーンを始めさせていただけると助かります!」
GM 「あー、分かった。……って、念のため聞いとくけど」
某亀 「はい?」
GM 「(小声で)怒られないだろうな?」
イカ娘 「まぁ、版権ものはね〜」
GM 「貴様が言うなッ!! いやほら、不謹慎とか、自粛とかそういうね?」
(小声で)怪獣映画といえば、今(2011年4月現在)まさに不謹慎、自粛と言われているシーンの連発である。
某亀 「その辺はメタ会話ということで。僕は巨大怪獣というのは災害や核兵器などの象徴ではありますけど、今回のGは自然を恐れ敬い、大事にしようと訴えかけるメッセンジャーだと考えていますので! テーマ性を持ったいいキャラクターですよね!」
PL本人いわく、そういうことらしいので、どうかおこんないでね!(逃)
GM 「というか、もうここまで来ると空母襲うのってテロリストとかじゃない気がしてきた(汗)」
イッチロー 「テロリストが襲おうと思ったらもうイカ娘が侵略していて……」
イカ娘 「それをヘリで飛んできたキルゴア中佐が焼き払う、と(笑)」
某亀 「(GMが用意したBGM用オーディオとは別にiPhoneを取り出し、おもむろに『ワルキューレの騎行』を流す)」
イカ娘 「曲あるんかい!?」
某亀 「ゴーサインがあればいつでも流しますよ!」
イッチロー 「なんだか私が唯一の良心のような気がしてきましたアルヨ。というか、皆さんやる気が満ち満ちているみたいですし、そろそろ始めません?(笑)」
GM 「(我に返り)そ、そうですな! では早速セッションを開始しましょう!」
かくして、4人(半数は人外)の主人公たちが銀幕狭しと活躍する、沈黙シリーズ最新作の幕が上がる……。