少女は星空を見上げ、そして傍らの母親に尋ねた。

 

「あの流れ星、どこから来たの?」

 

「あの流れ星、どこへ行くの?」

 

その日、空を覆い尽くさんばかりに降り注いだ光の奔流。それは、まるで無数の流星。

 

まるで雨のように、滝のように、そして……涙のように。

 

 

R-TYPE TRPG

-The other side of shooting star-

 

コンセプトメモ(2011/08/04 text:カイゼルちくわ)

 

 

 

※こちらは『R-TYPE TRPG』を作成するにあたり、まずはそのコンセプトや原案をまとめたデザイナーズ・メモになります。

まだ当作品は作成段階に入ったような代物ではなく、また独力で完成できるものとも思っておりません。お礼などはできませんが、TRPGゲーマー、ならびにR-TYPErの皆様からのご指摘、ご意見など、皆さまからのご協力をいただければ幸いであります。

 

 

●本作の基本的なコンセプト

 

 本作は製作者の「シューティングゲームをTRPGにしてみたい!」、ならびに「『R-TYPE』のダークな世界観をTRPGで演出してみたい!」という願望をもととした、シューティングゲームTRPGとなります。多分同人では作ってくださっている人が既にいらっしゃると思いますので、史上初ではないでしょう。

R-TYPE TACTICS』の六角ヘクスを用いたシミュレーションゲーム形式と、『R-TYPE FINAL』以降100機以上公開された「R戦闘機」のデータを参考に、自分好みのR戦闘機を駆使して侵略生命体「バイド」や、思想を違えた同じ人類の別派閥が駆るR戦闘機隊などと、ヘクスマップで戦術を駆使して戦っていくのがメインになります。戦闘パート以外にも、情報収集パートなどのパイロットの行動がメインとなるシーンも導入予定です。

 

 世界観は『R-TYPE TACTICSU』のものに準じておりますが、それではシューティングゲームの『R-TYPE』を愛する人にはつまらない部分もあるだろうということで、「シューティングの『R-TYPE』の世界とタクティクスの世界が次元接触し、二つの世界の住人が出会う」という設定を現段階では盛り込んでおります。PCは地球連合軍、グランゼーラ革命軍のいずれかの軍、あるいは自由傭兵や宇宙海賊などのフリーランス、あるいは後述する「別世界」からの来訪者など、いずれかの派閥に属するパイロット(あるいは艦長)となり、敵軍との戦いを生き抜いていきます。

 

 なお、人類はバイドに対抗するために、同じバイドを捕獲し利用した「バイド兵器」を開発し、R戦闘機に導入しています。しかし異常な侵食能力を持つバイドを兵器として使い続け、なおかつ強力なバイドと遭遇戦を繰り返すことで、R戦闘機ならびにそのパイロットには、「バイド汚染」の症状が進行することでしょう。浄化が間に合わない速度で侵食が進んだその果てには……機体ごとバイドと化し、強烈な破壊衝動と帰郷願望(理由は後述)のもと、地球人類に牙を剥く存在となってしまいます。しかしその危険を覚悟の上でも、人類はバイドと戦うために、バイド兵器を使わざるを得ないのです。

 バイド汚染が進むことで、パイロットと機体(バイド兵器)はより強力になります。絶望的な戦局の中、力と犠牲の狭間でPCはどんな決断を下すか……というのもまた、本作のコンセプトの一つです。

 

上記で触れましたR戦闘機の種類の豊富さについては、こちら→(http://ja.wikipedia.org/wiki/R%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F)をご参照ください。また、ニコニコ動画のアカウントをお持ちの方は、『TACTICS』ではなく『R-TYPE FINAL』の機体紹介動画ですが、こちらもご覧いただけます→(http://www.nicovideo.jp/watch/sm2280664

 

 

●世界観 プレストーリー

 

※TRPGルール化の都合や、別世界観であるSTG側とタクティクス側の統一のため、一部に別作品の設定を混同した表現、公式資料にない創作が含まれています。ご了承ください。

 

 

 26世紀。人類は最終兵器を完成させた。

生物、無機物……存在の種を問わず、あらゆるものを侵食し、取り込み、そして進化し増殖していく、機械生命体。質量を持ちながら波動としての性質も併せ持ち、あらゆるものに伝播し、時には精神にすら侵食しうる、究極の自己増殖型兵器。

 それは科学のみならず、魔道力学さえも導入して生み出された、系内生態系破壊用兵器。銀河系中心域に確認されたという、謎の敵性存在を滅ぼすために作られたケダモノ。

だが「それ」は事故により太陽系で発動し、そして……母なる星は侵食され、「それ」の帝星と化した。26世紀人類は、一瞬で絶滅の危機に瀕することとなる。

 26世紀人類は、次元消去兵器によって「それ」を異次元へと消し飛ばし、絶滅を免れた。しかし「それ」は異次元の中で進化・増殖を続けながら、やがて時間をも跳躍し、とある次元へと現出したのである。

 22世紀の、銀河系ペルセウス腕中央付近へと。

 

 

「  カ  エ  リ  タ  イ  」

 

 

 母なる星、人間、あらゆる生命……それらの意識をも取り込んだ「それ」は、その琥珀色の瞳に映る太陽系に、強烈な帰郷願望を抱いた。そして同時に、兵器として刻まれた根幹的性質……侵食、増殖、そして破壊の衝動も。そうして、「それ」は地球への侵攻を開始した。

 突如出現した謎の敵を、22世紀人類は「バイド」と名付け、その圧倒的な戦闘力と、人類側兵器を侵食して戦力としてしまう規格外の戦略を前に、終わらない悪夢として恐れた。

 

 

 そうして追い詰められた人類に「狂気」が芽生えたのもまた、やむを得なかったことと言えよう。

人類は宇宙航行のために開発された「異層次元航法推進システム」を兵器転用し、異次元への侵入・ならびに戦闘に対応、なおかつ応用次元兵器「波動砲」を搭載した兵器「R戦闘機」を開発、量産に成功した。

 さらに人類はそのR戦闘機に、悪魔の兵器を搭載することとなる。採取したバイドの組織を人工培養し、生体コントロールロッドで制御することで、一定量までならばあらゆる攻撃を侵食・吸収し、22世紀人類が持ちえない超高出力を発揮する「人類側のバイド」……バイド兵器、次元兵装「フォース」の誕生である。

 

 

 しかしR戦闘機の大部隊をもってしても、バイドの侵攻は止め切れるものではなく、人類の間では太陽系からの脱出を訴える声も強まっていった。

 だが、一人の若き提督……伝説の英雄ジェイド・ロスが率いる精鋭艦隊のバイド中枢突貫作戦の成功により、バイドの侵攻は止まり、人類は滅亡の危機から救われることとなる。

 そして、人類を救ったその若き英雄は、「記録上」は……そのまま帰ってくることはなかった。

 

 

 だが、バイドは依然太陽系内外で散発的に活動しており、その平和が一時的なものでしかないのは誰の目にも明らかだった。

 バイドなどの外宇宙からの侵略者に対抗する名目で、軍閥化していく地球連合。そしてその弾圧と、バイドを兵器として利用することへの危機感を訴え、バイド兵器根絶と現体制の改革を訴える、グランゼーラ革命軍政府の樹立。

 人類の救い手だったはずのR戦闘機のみならず、地球連合軍はフォースをはじめとするバイド兵器を、グランゼーラ革命軍はバイドに頼らぬ新兵器を次々と作り上げ、同じ人類へとその矛先を向けあった。平和は、人類同士の戦争という形で幕を下ろしたのである。

 

 

 だが、人類同士が争い始めて間もないその宇宙に、ある日「流星」が降り注ぐ。

 

 

 光の奔流。異層次元・跳躍26次元を超越し、帯電現象を引き起こしながら、長大な次元湾曲跡の光線を引いて地球付近に飛来した、大規模の戦闘艦隊。

 それは、別の次元……この世界とはまた違う戦いの歴史を歩んできた、別世界からの来訪者。

 同じくバイドの侵攻を受けた人類が、R戦闘機大隊の物量ではなく、少数精鋭による中枢突貫を主とした超高性能R戦闘機と、パイロットをパーツ扱いするような、こちらの世界よりもはるかに非人道的な狂気の戦いで生き延びてきた、パラレルワールドの住人。

 彼らがバイドとの決戦に臨む最終計画・作戦名“Last Dance”に投入した、中枢突入機とは別行動をとっていた、彼らの史上最大の大艦隊。それらはバイド中枢ではなく、次元跳躍の事故により、この別世界の22世紀太陽系へとワープアウトしてしまったのだ。

 

 

 突如現れた別世界人たちを、その地球から見えた流星群のような出現時の様子から、現世界人は「流星派(Shooting Star Sect)」と称した。

 あるいは、戦場などの猶予を許されない場所によってはそれは短く略され、「シューター」と呼ばれた。

 

 

 生活様式のみならず、バイドとの戦いの歴史以外はほぼ同じである流星派(シューター)との接触は、人類にとって容易なことではあった。だが、その容易さがこの戦時下では、悲劇へと繋がっていく。対話は、常に平和的解決につながるようなものではない。

 この世界にとっては異邦人であり、奇異の目で見られてしまう彼ら流星派が持っていたものは……R戦闘機大隊のパイロットとしての、技術と戦闘力。

 流星派のうち、ある者は傭兵のように地球連合軍やグランゼーラ革命軍へと合流し、またある者は平穏を望んで現世界人の社会の中に隠れ住み、そしてまたある者は……流星派人類の独立自治権を訴え、第三の陣営として戦局に加わった。

 この蜂起による流星派への偏見の強まり、さらにバイド兵器を地球連合軍よりもさらに危険な運用法で用いる彼らへの、グランゼーラ革命軍の憤り……。戦局は、そして世界の情勢は、混沌を極めた。

 

 

 そうして、十数年の時はあっと言う間に流れていく。

 流星派への偏見は依然残り、混沌とした戦局に打開はなく、それでも人類は戦いの歴史を刻んでいく。

 分かりあおうと訴える人々もいた。心通わせた流星派と現世界人の間に、ひそかに生まれた子供さえもいた。

 だが、人類は今もまた、着実に滅亡へと自ら歩み寄っていく。疲弊していく。

 

 

 そんな彼らを見つめる、琥珀色の瞳の群れ。

そして、26世紀人類が恐れた、銀河系中心域の「謎の存在」の胎動。

 人類滅亡の危機は、今また刻一刻と迫りつつある……。

 

 

※『TACTICSU』を遊んでいる人用に要約しますと、グランゼーラ革命軍蜂起の直後の時期に「流星派」が出現したことでミリタリーバランスが崩れ、本来『TACU』で主人公が参戦する革命軍との決着へつながる戦いが起こらず、こう着状態のまま十数年が過ぎた(その間、バイドや「太陽ノ使者」は様子見していた)という世界になります。

 

 

●キャラクターとR戦闘機のデータ

 

 現段階では、各判定にはD99%(10面体ダイス2つによる、0099の%判定)を用いることを考えています。『真・女神転生TRPG』などで採用されているスワップダイス(10面体を2つ振り、好きな方を10の位にすることができる)、ならびに相手との競争判定の場合、自分の判定の%を下げることで相手の判定の%も同じだけ下げるというシステムも、適した形で導入を考えています。

 

 R戦闘機ではザイオング慣性制御システムにより、従来の兵器ではありえない反応と機動が可能で、パイロットの能力がダイレクトに動きへ反映されます。よってR戦闘機での戦闘に用いる判定値は、「機体の能力値+パイロットの能力値」となります。

 機体のデータは『R-TYPE TACTICSU』のものに準ずるものとします。ちょうど命中率や回避率は%になっているので、データの流用もなんとかなるかと。

 そして『TACTICS』シリーズと同じく、PC一人が持つ戦力はR戦闘機1機と、リモートコントロールの同型機4機を従えた5機小隊となり、リモート機体が撃墜されると攻撃力も下がっていく、というシステムをそのまま導入しようかと考えております。

 

 また、『R-TYPE』といえば「波動砲」ですが、こちらは『TACTICS』のルールに則り、戦闘中各機体ごとの必要ターンが経過したら撃てる範囲兵器として扱います。

ゲームと同じくチャージしている間も通常攻撃が可能ですが、シューター側の機体の場合は原作通り、チャージ中はミサイル以外の通常攻撃ができない分、その威力を法外なものとするなどの特徴を設ける予定です(ほかにもシューター側の機体には原作の単機突入を再現するために、フォースが壊れない、小隊が組めない、などのいくつかの利点と欠点を用意する予定です)。

 

 なお、シューティングの『R-TYPE』シリーズで主人公機だった超強力な機体(『U』世界の3機しか存在しないエンジェルパック型ウォー・ヘッド、『V』のオリジナル・ラグナロックなど)は、あくまでワンオフ・カスタム機であったものとし、PCには簡単に使えないものとします。

 

 

●スキルと特殊兵装

 

 各キャラクターや機体の個性を表現するために、キャラクターには特徴やスキルを(フォース遠隔操作、敵弾気合回避(ぇ)、エンジェルパック化(ヲイ)など)、機体には特殊な兵装のデータ(亜空間突入、変形機構、パイルバンカーなど)を用意しようかと考えています。

 ただし、シューター側とタクティクス(現世界)側では、戦術思想に大きな違いがあります(前者は単機など少数精鋭での中枢突破、後者は大部隊を展開しての戦略を重視します)。なのでスキルなどにも違いがあり、シューター側ではいわゆる「弾避け」などの前線で戦う機体向けのスキル、タクティクス側では盤面上での優先権や索敵情報を得るなどといった、戦略面のスキルが多くなります。

 

 なお、グランゼーラ革命軍はバイド兵器の運用に反対しているため、フォースなどのバイド兵器を使用しません。

また、流星派の機体には、『R-TYPEU』でおなじみのエンジェルパック(パイロットの四肢を切断してカプセルに詰め、機体に直結する)、『R-TYPEV』の幼体固定(幼児のままの姿で体の成長を止めて「省スペース化」しつつ、生体コンピューターとして機体に直結する)などの、あまりに非人道的な技術が一部導入されています。

 

 

●バイド汚染、バイド化

 

 シューティング側の『R-TYPE』の原作では、S級バイドとの近接戦闘に臨んだ主人公機のほとんどは、無事に帰ってくることができませんでした。激戦の果てに機体が破損したり、あるいは強力なバイドと接触したことで、バイドに侵食されてしまったためです。

 また、原作でR戦闘機やバイド兵器を開発する研究集団「TEAM R-TYPE」の開発データの中には、機体やパイロットにあえてバイドを侵食させ、その能力を再現するという悪夢のようなものも存在します。

 これらの悲劇や、人類がバイド兵器を使う危険性の再現、ならびに危険と隣り合わせで力を得るカタルシスを演出するシステムとして、「バイド汚染」のルールを考案中です。

 

 現段階で考えているものは、バイド汚染が進むとあらゆる判定にその汚染率に応じた判定値ボーナスが加わる、というものです。ほかにも超再生能力など、規格外の能力を発揮します。

 また、一定のバイド汚染率がないと使用できない兵器も存在するなど、『ダブルクロス』の侵食率のようなシステムを考えております。

 

 バイド汚染が進むと強烈な衝動、ならびに地球への帰郷願望にさいなまれ、精神が崩壊していきます(100−汚染率%の「抗バイド汚染」判定で衝動に耐える)。さらに瞳が琥珀色に変色し始め、その人の目に見える世界はだんだんと琥珀色に染まっていき、やがてすべてが夕暮れの風景に見えてくることでしょう。

 バイド汚染は戦闘後の機体メンテナンスなどの際に、ある程度は浄化できます。通常の戦闘やR戦闘機の運用ならば、戦闘終了後のバイド汚染率は(バイド兵器が元々持つものを除けば)ゼロとなります。何より機体が汚染からパイロットを守ってくれるため、通常の戦闘ではパイロット自身が汚染されることはほぼありません。

しかし、強力すぎるバイドと近距離で長時間戦っていたら……? あるいは、戦うための力を求め、自らバイド汚染を望んだとしたら……?

 

 

「僕はあの星を、あの人を、守りたい……守る力が欲しい。

 

だけど……

 

 そうしたラ、もウ、かえレなインだ……」

 

 

 バイド化した機体も人間も、そのままバイドの群れに意識ごと取り込まれ、人類の敵となる運命です(ヒトとしての意識を保ち続けるなど、一部の例外もあるようですが……)。最悪、戦闘中にバイド化したPCはその場でほかのPCの敵となり、部隊を全滅させる要因となるでしょう。

 バイド化途中段階の機体なら、絶望的戦況の中でなら、まだ運用を現地判断で許可されるかも知れません。しかしバイド化が進み、戻る見込みがなくなった人間は……決して、幸せな暮らしを望むことはできないでしょう。

最悪、非人道的な所業の噂が絶えない「TEAM R-TYPE」に実験体として捕えられるかも知れません。