07. 第七話「TOKYO戒厳令 序章 キャラクター・メイキング・ストーリー」

DM、暗中模索

 

STORY

 

 DDS停止から4ヶ月、五月のゴールデンウィークを目前に控えた頃。世界は激変のただ中にあった。

 魔界との親交は深まり、世間には公開されていないもののすでに全世界の政府は魔界との交流を始めていた。しかし同時に人類は、究極の防衛兵器であるサタニモンの存在を逆に過度に恐れ、魔界との協力の下、サタニモンや異界化再発に対しての防衛研究を進める。

 五島 剛はそうした者たちの筆頭に立ち、防衛庁でごっちゃん直属の研究チームに自ら志願し出向する。そしてDDSなしでもシェイプシフトを実現し、レベル99のキャラクターデータで現実世界での戦闘を可能とする究極のパワードスーツ・D-armor(ダーマル)の開発に着手した。

 同時に進められていく、数々の対DDS兵器の開発。しかしそれらの兵器はまた、魔界の悪魔たちにも有効な兵器だった。そうと知りながらも「心」を持たないが故に、「隣にある危機」ではないと冷静に対応し、強力すらする魔界勢。しかし彼らの間にはなぜかまるでデジモンたちのように微妙な「心」の面影が表れ始めており、彼らはありえないはずの「戸惑い」の中にあった。

 そしてそれらの現況ともいえるサタニモンは、いずこかへと去り、一切の動きを見せないままだった……。

 

 そんな中、デジタル・ジェネレーションの面々は防衛庁の研究チームに転属となった守谷博士の手伝いとして、D-armorのテストに参加していた。疑似DDS内でのレベル99データの実動を最終段階までこぎつけた一同は、そのデータを受け取りに来た剛と魔界側の兵器開発参謀ベルゼブブに久々に会うものの、剛のあまりの冷淡な態度に、まるで別人のようだと戸惑わされる。彼の変貌は、彼自身がごっちゃんと魔将リリスの間に生まれたハーフであるということに起因するのか……? 一同の心配は募るばかりだった。

 そんな気持ちを紛らわすためにか、守谷博士と娘二人と一緒に出向いた焼肉屋で、一同は常識も非常識もなくハチャメチャに騒ぐ四人の外人と出会う。「地上の珍しい文化を……」「そりゃないっすよ議長!」などと気になる単語を発する彼らだったが、会話の端々から彼らが守谷博士を訪ねてきていることを知った一同は博士を紹介する。

 その四人の外人、マイケル・アバター、ガブリエラ・アバター、ラファエロ・ブロスマン、ウィリアム・ブロスマンは、国連から派遣されてきた視察委員会の者であると名乗った。しかしその名前の不自然さと、やたらキリスト教に傾倒した言動に、一同はとある疑念を抱いたが……ここではあえて触れず、焼肉を楽しむ(暴走する?)彼らとの親交を深め、連絡先を交換し合う。

 

 一同はゴールデンウィークの間、それぞれが自身の想いと向き合い、デジモンの意味、自分たちのしてきたことの意味を考えたり、魔界の魔将や浅草のルーさん、人間として生活する四天王たちを訪ねて話を聞いてみたり……それぞれが、自身の進むべき道を探し求める。

 そして外人四人組の正体もまた、明らかとなる。彼らは人間界や魔界との交渉に訪れた天界の四大熾天使(セラフ)であり、彼らのもとを訪れた雅は、かねてからの疑問の答えを彼らに託された。なぜ魔界の人々は、そして天使たちもまた、聖書や神話に語られているものと違ってこれほどまでに友好的なのか。なぜ天界と魔界で敵対することがないのか……。その秘密は、創世神話の真実に隠されていた。

 この世界はすでに何度も滅びと再生を繰り返しており、それは世界の管理者である唯一神ですらも止められない運命の流転であると言う。時には自ら生み出したものたちに裁きを下し、時には見守りながらも眼前で世界の流転に飲み込まれて消えていく命たちを見つめ……唯一神は絶望に心を支配され、その管理は次第に独善的なものへと変化していった。

 しかしある時、世界の最後に唯一神を倒した人間の言葉に心を動かされた唯一神は、次の世界、すなわち今のこの世界を、「誰もが笑いあえる世界」にしようと誓ったという。そうして天使も悪魔も笑いあえる世界になったものの、「心」を持たねばならない人間は笑いあうだけでは生きていくことが出来ず、唯一神が行わなかったはずの十戒受託などといった行為を自作自演し、さらにはDDSを開発し……世界を今までと同じように、黙示録へと勝手に導こうとしているというのだ。

 

 そんな中、さゆりとともに彼らが知らない戦いが行われたというお台場を訪れた大介は、人間形態をとったサタニモン(斉藤 亜門)と出会う。警戒する二人だったが、サタニモンは彼らに微笑みかけ、驚くべき言葉を口にした。

 「私は、パートナーを探している」

 サタニモンが思考の末たどり着いたまず最初にすべきことは、デジモンとしての能力を最大限に発揮するためにも、分かり合えるパートナーを見つけ出すことだった。

 一人では何も出来ない。究極の存在であっても、一人ではルシファモンのように負けてしまう。そして今、人類は彼を恐れ、戦う準備さえも進めている。自分はただプロジェクトの流れの果てで生まれただけだというのに、戦いなど望んでいないというのに……「怖い」、と。

 その面会と時を同じくして、TVニュースでは全世界で進む異界化対策と、東京でした起こっていなかったはずの異界化が自分の生活圏でも起こるのではと怯える世界中の人々の姿が映し出される。デジモンは恐ろしい存在、デジモンは人類の敵という認識が、確実に人々の間に広まりつつあったのだ。

 大介はそんなニュースに悲しげな表情を見せた彼の考えを認め、「考えさせて……」と、肯定的な答えを示した。さゆりもまた、今までのような憎しみを彼には抱いてはいないようだった。

 

 そんな中、デジタル・ジェネレーションの一人で剛の妹である五島 春香は、パートナーデジモン・ニンフモンの消滅と、兄の変貌に打ちひしがれていた。小学6年生という、性徴期とともに子供時代との決別が近付く時期の少女が悩んでいる姿を放っておけず、雅は気晴らしになればとディズニーランドへと彼女を連れて行く。

 しかし元々大人ぶる性格の春香は、一生ずっと友達でいてくれる人なんていないと……デジモンの消滅も、引っ越して別れ別れになって、忘れ去ってしまう友達と同じようなものだと、無理に自分を納得させようとしていた。雅はそんな彼女を諭そうとするが、彼女が口にしてしまった「家族」という言葉に、春香は激昂する。

 そしてその時、最悪のタイミングでニュース番組に出演した剛が、デジモンの危険性を堂々と宣言。国家体制で異界化対策に当たるとともに、その現況であるデジモンもまた消えるべきだと、そもそも存在したことがありえなかったと、冷淡に言い放ってみせた。

 春香はそれを見て、ニンフモン消滅後も大事に取っていたアームターミナルを地面に叩き付け、今までにない形相を浮かべてどんな言葉にも耳を貸さず、歩き去っていった。そしてデジジェネ一同もまた、即座に剛と連絡を取り、その真意を聞きだすべく翌日の夕方、赤坂での面会の約束を取り付ける。

 

 そしてこの放送を見た大介は、巌たちに決別を告げ、さゆりとともにサタニモンのもとへと向かう。デジモンだったことがある自分たちだからこそ、分かる間違いがある……その想いを胸に、大介たちはサタニモンのパートナーとして彼の友になることを決意したのだ。

 大介とさゆりは、はるか天の高みにある異空間・ハイパースペースへと導かれる。しかしそこは現実世界と異なる次元というだけで、スティーヴンが存在する場所というわけではなかった。

 

 面会の場に臨んだ一同と春香は、剛からこの考え方が導き出されたもっとも正しい答えであると断言される。無論反論する一同だったが、「間違っているというならこれで僕を撃って殺せばいい」と渡された劣化ウラン弾拳銃を、手に取る者はいなかった。ただ、春香だけはそれを手に取ろうとしたが……その時、その場の空気に不釣合いな、子供の声が響く。

 「ダメだなぁ、それじゃ剛君が死んじゃって終わっちゃうよ〜」

 その場にいつの間に現れたのか、一同が振り返るとそこにはトランプの王様のような影を後ろに従えた少年がいた。そして少年の出現と同時に、剛は何かに操られていた状態から抜け出す。この少年こそが、剛の心理に働きかけ、彼の行動を後押ししていた存在だったのだ。一同をここに呼び寄せ、銃を渡すようにしたのは、剛の無意識が行った防衛策だったのである。

 駆けつけた特殊部隊の分析により、その少年がシェイプシフトしたDDSプレイヤーであるという現状ではありえない情報を伝えられ、完全に硬直する。そして少年は自らをデジモンの王様、デジモンカイザーと名乗り、「もっと楽しくしてあげるよ!」と、強大な力を発揮して赤坂全域を異界化。その直前、念のため待機していたしもべ一号によって一同は救い出されるが、しもべ一号の力をもってしても、カイザーが故意に連れ去った春香は救い出すことは出来ず、春香は異界化の中核に取り残されてしまう。

 

 剛は自分の心の弱さを恥じつつも、カイザーが言わせたことはすべて自分の本音であり、間違いとは思っていないと告白した。それでもなお、妹は命に代えても助けると、剛は一同を横須賀基地へと案内し、そこで先行開発されていたD-armor試作型をデジジェネたちに託す。

 Lv99のシェイプシフトと、音速飛行や各種特殊装備などの軍事兵器としての強力な機能を手に入れた一同は、そのまま赤坂の異界へと突入する。剛はD-armorを使わず、悪魔の力を人間の「心」の力で振るう、強力無比な魔人に変身して一同と行動を共にする。

 そして赤坂にたどり着いた一行を待ち受けていたのは、ダークデジモンではなく……アポカリプスモードになり、赤々と輝く目をしたDDSのプレイヤーデータたちが結成する氏族軍だった。

 

 彼らをなんとか押さえ込み、中核へとたどり着く一行。そこには黒いクリスタルの中に閉じ込められた春香の姿があり、しかしその束縛から彼女を助け出すことがどうしてもできない。

 スティーヴンの与えたDDSの力では、限界を超えられないのか……?

 その結論を本能的に導き出した巌は、その場でD-armorを脱ぎ捨て、クリスタルへと向かっていく。魔界と同じく生身の人間を侵食する異界の中で、確実に死に向かっていく巌。だが、揚や仲道、雅もまた、それと同じ行動を取ってみせる。

 その姿をあざ笑うカイザーだったが……その時、異界の中にかつて聞いた、セエレモンの最後の声が再生され、響き渡る。それはデジタマとともに、この時のために残されたメッセージだったのだ。

 

 可能性が生み出す未来を、今こそ示す……!!

 

 四人のデジタマの殻は破れ、中からかつて彼らのパートナーデジモンの一部であったデータのかけらが流れ出す。そこから聞こえる、懐かしいデジモンの超声は……決して彼らが望んだことばかりを告げるものではなかった。

 パートナーデジモンの彼らの存在は、その「死」は、もはや戻らないと。

 だがそれでも、忘れないでいてくれるのか。それとも、この別れを思い出に変えて、新たな道を歩んでいくのか。

 その声は、四人にそう問いかけるばかりだった。そして彼らは、この4ヶ月の間に悩み、考えてきたデジモンや自分の存在について、最後の結論を思い描く……その答えが、そのまま形になっていく。

 

 セエレモンが残したデジモンのかけらが、四人がそれぞれ導き出した答えを具現化し、その体そのものを究極体デジモンへと変えていく……二神合体神化が、今ここに発動の時を迎えた!

 

 

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 さてさて……前話のすさまじい終わり方から、実際の超リアル時間でも4ヵ月後(間長ッ!!)。ついに新章の開幕となりました。

 第一話から築き上げてきたものがすべて崩壊した状況であることは、DMもプレイヤー側も同じこと。ということはここで、彼らにもまた新たな展開に臨むに際し、改めてキャラクターを練り直してもらいたいと考え、この回のセッションは「キャラクターメイキングストーリー」と銘打ち、戦闘やダンジョンを完全に廃して決まった日付に起こる固定イベント以外はほぼ何もシナリオがないという、自由度が高いというかなんというか

 大丈夫か?(゚Д゚;)

 ってなカンジのセッションを敢行。ひたすらキャラクターの練り込みに徹してもらうことと相成りました。

 

 

 このセッション一回のみで、新たにキャラクターのロールプレイを練り直す……これは相当難しい行為です。

 キャラクターのロールプレイというのは、キャラメイキングから始まってセッションを3回、いや4回は重ねないと、なかなか決まっていかないものだと自分は考えています。しかしTRPGに慣れたこのメンバーと、今までのセッションの中で生まれてきたNPCとの関わりをうまく利用すれば、この一回でその実現も可能だろうと考えました。

 そして何より、マスター自身が先に進めない状況であったため、この回はいわばプレイヤーとDMの両方が立ち止まり、最終章に向けて力を蓄える回となったワケです。

 DDSというゲーム世界が終焉し、その目的も達成された。だが、物語はまだ続いている。

 なぜ続いているのか? そして、どこに向かっているのか?

 DM自身がそれをこのセッション開始前の時点までは見失っており、どんな最終回に向かっていくのかまったく予想がつかなくなっていたのです。

 

 

 まずこの回のセッションの前に思いついた展開は、サタニモンとスティーヴンがラスボスになる、というありきたりなものでした。PC側にも動機は十分にあり、流れとしては美しいだろうとは思えましたが……。

 鋭い人ならすでにお分かりでしょう。これではルシファモン・ユナイトをラスボスにした、第六話までの流れとまったく同じの二番煎じなのです。

 パートナーデジモンを失ったPCたちが、同じ流れでサタニモンと戦うことで納得がいくとは、とても思えません。この考えは即刻、却下となりました。

 ただし、却下しつつもこの考え方はNPCサイド(剛くんなど)に持たせることで生かされています。PCたちは自分たちが行ってきた行為をNPCがとっていることを目の当たりにすることで、その過ちを常に確認していくこととなったワケです。実際、剛くんにほとんどのPCが「なんで同じ過ちを繰り返す!?」と発言してますから、この目論見は成功していたようですね。

 

大変貌を遂げた剛くん。

演じているDM自身も、彼の苦悩を思うと心が痛みました……。

(まぁ、この回ではカイザーに操られているんですけど)

 

 

 しかし、今回のデジモンキャンペーンの基本は「熱い展開」。このままガンジー的思想を貫き、

 「オウムが怒ってる! 森へお帰り……」

的な終わりを迎えても、何の達成感もないでしょう。

 となると、PCたちには必ず立ち向かうべき目標や、倒すべき敵が必要になります。しかしDDSのすべてが完遂してしまいしかも魔界とも仲良くなってしまった今、彼らの敵になるような存在はとても思い当たりません。

 そのように悩んでいたある日、息抜きにパソコンの某MMORPGを起動して遊んでいたワケですが、その時にふと、キャラクターセレクト画面を見てあることを思い出しました。

 昔、タレントの伊集院光氏がパーソナリティーの深夜ラジオで、『ドラゴンクエスト』の「復活の呪文」についてのフリートークがあったのです。「復活の呪文」をメモし間違えたり、メモした紙を無くした場合、その呪文で帰ってくるはずの主人公キャラはもはや一生呼び出されることもなく、どこか暗ぁぁぁぁぁい部屋の片隅でちょこんと座り込んでいるのでは? という内容で、光景を思い浮かべてみるとかなり怖かったので記憶に残っていました。

 そしてそのMMORPGは、修正パッチなどによるスキルの強化・弱体化などが頻繁にあるため、キャラクターを作り直すことがかなり多い作品でした。キャラクターを作り直し、育成しなおすのにはなんら抵抗はないのですが、「キャラクターを消去してもよろしいですか?」という確認メッセージを見るたびに、ちょっと心苦しい思いをしていたのも事実でして……。

 

 

 ……DDSのキャラクターデータって、どうなったんだろう?

 

 

 不意に脳裏に、稲妻のようにこの考えがよぎりました。そう、パートナーデジモンたちはサタニモンに統合されましたが、プレイヤーキャラクターのデータはどこに行ってしまったのか、まったく考えていなかったのです。

 そして、そうしてプレイヤーはおろかDMにすら「忘れられた」キャラクターたちは、暗い部屋の片隅でとまではいかずとも、どこか遠くでプレイヤーたちのことを待ち望み、そのうち……恨みすら抱くのではないでしょうか。

 この考えを膨らませることで、切り捨てられたプレイヤーたちの「過去」であるキャラクターデータの集合体、デジモンカイザーが誕生したのです。

 

捨てられたデータの集合体、デジモンカイザー。

その姿、その言動には、あらゆるメッセージが込められていました。

 

 まずこのキャラクターについて浮かんだのは、「デジモンカイザー」という名前でした。原作でのカイザーは『デジモンアドベンチャー』における主人公たちの最大の敵の一人の名前であると同時に、思い悩む一人の少年(賢ちゃん)が変身した、悲しい存在でもありました。そのイメージとこのキャラクターは、ピッタリのように思えたのです。それに元祖『デジモン』の敵と同じ名前ということで、原作を知る人にはかなり熱いカンジが伝わるとも考えましたし。

 そのイメージを思い出すと同時に、デジモンカイザーの姿は子供だ、と直感的に思いつきました。現に過去のDDSにおけるプレイヤーデータの集合体となれば、ゲームを楽しんでいた人々を象徴した姿になるだろうと思えたのです。そしてDDSの一番多かったプレイヤー層は、言わずもがな子供たちでしたから。

 そして何より、「子供が敵」というシチュエーションは、DM自身初めての経験です。この未知の存在に対して、PCはどのように接してくるのかと、期待が膨らむばかりでした。

 

 

 そしてカイザーが敵となる理由……それは、「過去」のリフレインであるから。

 サタニモンがパートナーデジモンの集合体として、学習してきた「守る」「戦い」を始めたのなら、プレイヤーデータの集合体であるカイザーは、過去にその結果を導いたプレイヤーたちの行動をそのまま取ることになります。そう……戦いと危機の果てに絶対の存在を生み出し、世界をアポカリプスへと導くことです。

 先ほど剛くんなどのNPCに預けた二番煎じを、彼はさらに過激に、強大な力でもって(理論上はサタニモンと同等ですから)実現していくのです。それをPCたちが目の当たりにするということは、過去の過ちに向き直り、それを正すという、自らの選択やその結果を疑問視している彼らが望んでやまない行為にほかなりません。

 この目標に向かっていくなら、PCたちのモチベーションは最大限まで高まってくれる! 方向性が見えてきたッ!!

 DMはそう確信し、デジモンカイザーの誕生を決意。この回のセッションに、早速登場してもらうことにしたワケです。

 

 

 そしてそれと同時に、サタニモンが絶対的な敵ではなくなったということも示したかったので、PCたちに断られることを承知の上で「パートナーになってくれるよう頼む」という行動に出させました。これはあくまで、サタニモンが倒すべき究極の敵ではないということを暗に示すためのものだったのですが……。

 おや、約一名食いついたっ!(゚∀゚)

 こうなればもうアドリブマスターとしては、釣り上げてまな板の上で料理しないわけには参りません(笑)。最終回まではサタニモンは、あくまで静観の立場に立たせよう……なんて考えていたDMですが、一気に彼を表舞台へと引きずり出します。

 

人間形態のサタニモン。

まぁ、この姿ではあまり登場しませんでしたが……

 

 その結果、大介くんはとんでもない立場と能力、そして完全に主人公の座を不動のものとしたワケですが……まぁ、これも次の話に深く関わることですので、次回のコラムにて触れることにしましょう。

 

 

 そしてもう一つ、早急に解決しておかなくてはならない問題がありました。天界の連中を登場させることです。

 これは今までのセッションの中で何度か、巌のプレイヤーを始めとする何名かが何度か口にしていた、「魔界はこんなに鑑賞してくるのに、天界の連中は何やってるんだろう?」という発言に起因します。

 確かに、考えてみればここまで魔界が動いているのに、天界側の動きが一切ないというのはおかしいんですよね(笑)。当初はDDS内の氏族戦ギルド・聖霊旅団が実は天使たちで、Satanic Legionが悪魔たちで……という設定を考えていたのですが、氏族戦自体がルーリングが難しく、キャンペーンの中に登場しなくなってしまったので、本気で天使たちの出番がなくなっていたところでした。

 しかし、ここまで魔界がドえらいことになってるのにまだ干渉してこないということは、何か理由があるということにしないとプレイヤーも納得いかないと思いまして、またここでもDMはない脳みそを振り絞って答えを考えます。

 

 

 ……「今回」は、魔界と天界が対立してないってことでどうよ?

 

 

 思いついたとき、正直震えが走ったアイデアでした(笑)。メガテンの常識を覆す、黙示録一切無しの世界!!

 というのも、ほかのセッションで何度か唯一神様を登場させていた私ですので、なんとなく「神様、疲れてるだろうなぁ……」という共感があったワケです。『Es-Links最終回』では人間に説教され、『真メガV第二部 エデン編』ではメシア様に利用されて無理矢理人造で生み出され……。

 かわいそうったらありゃしません(コラ)。

 そこでメガテンの世界が何度も新生を繰り返しているという設定をもとに、「今回」の神様はいい神様にしよう!! という一大決心がここで生まれたワケです。

 そこからさらにトントン拍子で、「そんないい神様が魔界にルシ様追放したりとかするわけねぇ! っつーか十戒にもきっと『仲良くしろ』くらいしか書かなかったはず! とうことはアレだ、人間の預言者がいろいろ勝手に捻じ曲げたんだ!!という、とんでもない理論が生まれました。

 そしてここでまた絡んでくるのが、第0回コラムでもちょっと触れました、デジモンの神化を導き出す人間たちの『現実を変える力』です。

 そう。神様はみんなで仲良くしたかったのに、人間が勝手に過去の神様がやってきたことを、無意識のうちに(あるいは「世界の流転」の影響?)思い描き、それが現実になって悪魔や天使を困らせている!

 なんというか、ちょっとした思い付きから始まって、この世界そのものの世界観・創世神話までもが生まれてしまいました。ちなみにこの時、DDS2」に通じるとある重大な設定も生まれているのですが、それはまぁまだヒミツということで(笑)。

 

 

 そんなこんなで、天使たちの登場は……いい神様の影響ということで、とってもお気楽極楽なカンジとなりました(笑)。

 

   

左からミカ……あ、いや、マイケル・アバター、ガブリエラ・アバター(シリアス担当?)

そしてラファエロ・ブロスマン、ウィリアム・ブロスマン(ギャグ担当?)。

 

 焼肉屋での彼らの登場シーンで、しっかり一同の心をつかめたようで何よりでした(笑)。

 そして彼らは創世神話をPCたちに語り、神様の存在を教え、そしてこの後、頻繁に訪ねてきていた雅さんを「君ならメシアになれるのではないかね?」などと煽ってみたりします。それは最終話で現実のものとなるワケですが……それはこの時点では、DMすらも予想していなかったことです。

 正直、ここまで存在自体DMに忘れ去られていた天使たちですが、この後天界・魔界・人間界の協力体制の上でなくてはならない派閥となり、またラファエロ(ラフィー)とウィリアム(ウィリー)は雅さんにいじられ続けることで、各シーンで欠かせないギャグキャラへと成長していきました(笑)。やはりウィリー君の「私たちはまだ童貞デース!!発言で、彼らの進むべき道は決まっていたのか……!?(コラ)

 

 

 また、この天界と創世神話の設定によって、魔界勢がなぜあれほどにフレンドリーなのかも説明が付くようになり、一安心となりました。

 そして同時に、『現実を変える力』が彼ら魔界勢に影響を与えないはずがないよな……という考えも、ふつふつと湧き上がってきたワケで。それが巌たちと接触し、その強いデジジェネの『力』の影響を受けることで、彼らが「トモダチ」の概念に目覚めていくという設定に繋がりました。無論、この『力』は後に困った事態も引き起こすことになるワケですが……それは次回のコラムで触れることにしましょう。

 とにかくこれで、世界観と魔界や天界の方向性はばっちり固まり、デジモンカイザーという存在も生まれ、最終回に向かって物語を作っていく材料はほとんど出揃いました。暗中模索を続けに続け、やっとこさたどりついた……というわりには、やたら思いつきで生まれたアドリブ設定が多いのはまぁ、ご愛嬌ということで(逃)。

 

 

 そして実際のセッションでは、PCたちはDMの期待した通り、新たな舞台、新たな自分を受け入れ、再出発を果たしてくれます。それぞれが自分の気持ちや考えを素直に口にし、ほかのプレイヤーへと伝えることで、プレイヤー全員の思考が活性化。目論見どおり、このセッションを通じてプレイヤーは自分のキャラクターを再構築していってくれました。

 ただし、ここでちょっとしたトラブルが発生します。

 とあるPCが春香ちゃんをプッツンさせてしまいました(゚∀゚)

 

このイラストは、最終回に登場した春香ちゃんですが……。

この回の時点で、彼女の内面はすでにこんなカンジになっていたかと(笑)。

 

 正直、「家族」とか何とか、春香の境遇を知る身でありながらここまで追撃を決めてくるとは思いませんでしたので……(汗)。ここでもアドリブマスターのカンが働き、彼女にはダークサイドに堕ちてもらうことになります。

 その結果何が起こるかはまだ決めてはいませんでしたが、彼女はリリスとごっちゃんのハーフでデジジェネ。カイザーと組み合わせれば、何をしでかすかDMにも分からないくらいの最強タッグです。

 ということで、このセッションがあくまで「キャラクター・メイキング・ストーリー」の段階でまだ本編が始まっていないことをいいことに、DMは彼女をアドリブで異界にとりあえず監禁するという、なんともひどい行動に出ました。実はこのセッションは、DMにとっては「シナリオ・メイキング・ストーリー」だったのかも知れません……(コラ)。

 まぁ、大介くんといい、雅さんといい、アレですね。

 このDMにエサを与えてはいけません(笑)。

 

 

 そしてラストシーンを迎え、「キャラクター」の新たな誕生のシーンを引きとして、この回のセッションは終了します。この回を通じて得たものを、新たなキャラクターである「二神合体神化した究極体デジモン」に反映してもらえればと祈りつつ、DMはとりあえずの幕をここで引いたのでした。

 そしてDMにも、サタニモンやら春香ちゃんやら、おいしいエサがいくつも与えられています。これらのすべてを昇華するには実のところあと6回はセッションを重ねたいところでしたが、時間の都合などもありまして、この時点で「あと二回でキャンペーンは終了」という決断を下さざるを得なくなりました……(残念)。

 

 

 そんなこんなで最終回へと動き出したキャンペーンに合わせて、このコラムもあと二回で大団円。このようなアドリブマスターのアドリブコラムですが、もうちょっとお付き合いください(笑)。

 

 

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